私たちはキリスト教会を建てようとしているのではなく、地域らしさが残る「相互に助け合う共同体」が再興されていくためのお手伝いをしたいと思っています。
たとえば、南三陸には伝統的に「講」という相互扶助の仕組みがありましたが、今回の津波被害によって、町内会もろとも「講」も解体されてしまいました。
私たちは、地域が育んだ「講」という文化、さらには、もっと基本的な伝統的な家族の結束を大切にし、新しい形で引き継がれ展開されていくことを応援したいのです。
これから再興される新しい町は、昔ながらの被災地の個性を受け継いだ町であって、別の町になるわけではありません。
よそから持ち込んだ資源を使って、取ってつけたような「快適で豊かな町」を作ることができたとしても、町の人たちがそれで幸せになるとは限りません。
元々美しかった町の姿を取り戻すことが、住民の願いであり、誇りなのだと思います。
私たちの目的は、「住民自身が町を再興する」ためのお手伝いをすることです。
確かに外からの援助は減少していくでしょう。やがて無くなるときが来るかもしれません。そのときに、被災地の町が自分の足で立っている必要があります。
私たちは、援助によって、地元の人たちが依存的にならないように注意しています。自立を助けることが私たちの願いだからです。
自立して、誰かのお役に立てるようになることが人生の充実に繋がります。受ける喜びに勝る「与える喜び」が地域に広がっていくことを夢見ています。